玄米は、稲穂を乾燥させて、籾(もみ)殻を外した、精米されていない米のことを言います。表面にうす皮であるヌカが残っているため、茶色い色をしており、その小さなひと粒ひと粒には、ビタミンやミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれています。
玄米は、おいしく炊き上げるのがむつかしいと言われています。そのままの状態で炊くと、かたく、粘り気に欠けた状態になってしまうため、しっかりといでから、圧力タイプの炊飯器や、玄米が炊ける炊飯器などを利用すると、慣れていない方でも上手に炊くことが出来るでしょう。
圧力タイプや、玄米が炊ける炊飯器をもっていない場合は、といだ後、給水時間を9時間ほどとり、しっかりと玄米の芯まで吸水させれば、普通の炊飯器でおいしく炊くことができます。ポイントは、給水中に、ひとつまみの塩を入れておくことです。こうすることで、水の劣化を避けることが出来ます。
ザルでとぎます
玄米をおいしく炊きあげるには、白米と同じように、とぎ方にコツがありました。玄米をとぐと、とがない玄米に比べて、米粒がひと回り大きく炊き上がります。また、玄米特有のボソボソ感がなくなるため、柔らかい食感に仕上がります。基本的には、「白米のとぎ方」と同じですが、ボウルではなくザルを使うことと、とぐ回数が異なります。おさらいしてみましょう。
正確に計ること
まずは、正確に計量することが大切です。180㏄の計量カップに玄米を入れたら、カップを左右にゆすって平らにします。これが1合です。うまく平らに出来なければ、箸を使って、カップのフチに沿って、ふくらみをそぎ落とします。計量カップすりきりにつめると覚えておきましょう。(白米をとぐときと同じです)
一回目のすすぎ
ボウルに重ねたザルに、正確に計った玄米を入れ、すばやくその中へ、水を注ぎ込みます。出来れば、浄水器を通した水か、ミネラルウォーターがよいでしょう。すべての玄米が水に浸かるようにかるくかき混ぜたら、水を捨てます。◎ザルは、できるだけ網目の細かいしっかりとしたものがよいでしょう。
100回とぐ
ほぼ水が切れている状態になっているザルの中の玄米をとぎます。一定のリズムとスピードを保つようにして、ザルの網目に玄米を擦りつけて、やや強めにゴシゴシと音を立てながら、100回ほどとぎます。100回とはいえ、あっという間です。回数は多い分には、何回でも構いませんので、様子を見ながらとぐとよいでしょう。
二回目のすすぎ
玄米をとぐと、ボウルの底にうすい茶色のとぎ汁がたまるので、すすぎましょう。あたらしい水を注ぎ込んでから、2〜3回かき混ぜ、とぎ汁をうすめてから流すことを2回行います。
よく見てチェックする
といだ玄米の表面に傷がついているか、ひと皮むけているかを確認するため、玄米を数粒指にとり、玄米同士を擦りあわせてみてください。とげていない玄米ですと、玄米同士がツルツルと滑ってしまうのですが、とげている玄米なら、玄米同士が引っかかり、ザラザラとした感覚になります。
とぎ方が足りないと感じるようでしたら、もう一度といで、すすぎを行ってください。また、すすぎも同様です。足りないなと感じたら、あたらしい水を注ぎ込んでから、2〜3回かき混ぜて、とぎ汁をうすめてから流すことを2回行います。
玄米は、白米と異なり、すぐに吸水が始まりませんので、白米ほど急いでとぐ必要はありません。とぎ過ぎると割れやすくなるため、すすぎからとぎ終わるまで、およそ7分ほどと考えてください。
といだ後、給水時間が必要な場合(普通の炊飯器)は、ボウルにといだ玄米を入れ、かぶるくらいの水に、ひとつまみの塩を入れ、9時間ほど置いておきます。給水が終わったら、水は捨て、炊飯器に入れ、白米と同じように炊き上げます。
協力:西島豊造(スズノブ)
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玄米のおむすびを作りたくて、炊いてみました。100回を意識して研いでお塩を入れたら、上手に炊きあがりました。風味がよくてとても美味しいです。教えてくださりありがとうごさいました!感謝。
玄米を炊いているのですが、なかなか上手に炊けないのは、砥ぎ方が悪かったのでしょうか。この動画を見て頑張ってみます。
動画わかりやすいです。
研ぎ方がわかりました。