わたしたちのきほん

きほんのはなし4

写真:松浦弥太郎
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時間の話

「YAECA」井出恭子(以下、井出) 「くらしのきほん」松浦弥太郎(以下、松浦)

松浦:朝昼晩と、一日のなかで、いつがお好きですか。きっと、規則正しい生活をされていらっしゃいますよね。

井出:ええ、比較的、規則正しいほうではありますけれど……夜は遅くなることが多いですね。でも、起きる時間は、毎日同じかんじです。

松浦:あんまりたくさん寝なくても大丈夫なんですか?

井出:いえ、出来るだけたくさん寝たいです。あ、わかりました。寝ている時間がいちばん好きなのかもしれないです(笑)。あと、朝も好きですね。

松浦:朝って、あっという間に終わってしまいますよね。で、あっという間に昼になっちゃう。で、夜は長い。

井出:昔は夜が好きだったんですけれど。

松浦:なんかこう、静かだし、暗いし、落ち着くかんじですか?

寝ている時間が好きなのかも

井出:夜は、自分の時間というか……。終わりが決まっていない感じがすごく自由ですよね。朝だったら、何時には家を出なくちゃいけない、とか。お昼だったら、何時までにどこそこへ行かなくてはいけない、とかありますけれど、夜になると、自分が起きている限り、自分の時間というか。そういうのが、すごく気持ちがいいなあって思います。あとは、最近、朝に何かをしていると、すごく得したような気持ちになるんです。

松浦:朝に何かをすると、自分を褒めたくなりますよね。そのあと何もしてなくても、もうこれでオッケーみたいな。

井出:それこそ、拠り所になります。朝って、なんにもしなくても、すぐに家を出る時間になっちゃいますから。昔は、夜があるからいいやと思っていたんです。やらなくてはいけないことがあったとしても、ちょっとでも、楽しそうなことがあれば、気持ちがそっちにいってしまって。夜があるから大丈夫って、お昼の時間を過ごしていたんですけれど、さいきんそう思っても、夜はないんだと思って。やっぱり、寝てしまうんですよね(笑)。

松浦:自分が寝る環境って、すごく気をつかいませんか? ベッドにしても、シーツにしても。自分が気に入ったものを使える贅沢というか。そこが気持ちいいと嬉しいですよね。

井出:嬉しいですね。寝るのが好きなので。

松浦:できるだけ、自分のなかでベストな状態にしておきたいですよね。部屋の広さから、明るさから。

井出:ほんとそうですね。

お気に入りでととのえたい

松浦:若いころ、海外を旅したり、友人の家に泊まったりして思ったのは、外国人って身体が大きい割に、意外と狭いところで寝てるんですよね。なんで、こんな小さなベッドに寝ているんだろうって。

井出:小さなベッドから足がはみ出ちゃう感じ。たしかに、思い浮かびますね。

松浦:僕も寝るのが好きだから、出来れば、すごく大きくて、自分がどう動いても大丈夫なくらいのベッドがいいですね。

井出:ベッドとリネンと枕は、いちばん気に入ったものにしたいですよね。

松浦:一日がおわって、さあ寝るぞってベッドに入ったとき、もうこれだけあればいいやって思っちゃう。これ以上の幸せをもらったらバチがあたるかもって思います。

井出:そんな興奮して眠れる人なんて珍しいと思いますよ(笑)。

松浦:寝室があって、窓があって、カーテンとか明るさとか、出来るだけととのえるわけじゃないですか。それはなかなか贅沢なことだと思いますよ。

井出:パジャマもこだわっていらっしゃるんですか?

松浦:パジャマを着ていた時期もあるんですけれど、いまは、古めかしいトランクスをパジャマ代わりにしています。

井出:なるほど。

一日のおわりに感じる心地よさ

松浦:パジャマ用のトランクスは、ふつうのトランクスよりも、ちょっと大きめで、ゆったりしていて。生地は厚いオックスフォードです。

井出:へえ、いいですね。女性でも良さそうですね。

松浦:で、上は、少し大きめのシャツを着るようにしています。今の季節だったら麻。

井出:えっ、シャツを着て眠るんですか。初めて聞きました!

松浦:こういうことを話すと、変わり者だって思われちゃうから言いたくないんですけれど(笑)。これまたマニアックな話なんですけれど、Tシャツは苦手なんです。一晩寝たあとの、こなれた感じがあんまり得意じゃなくて。

井出:馴染んだかんじが苦手なんですか。

松浦:すぐ脱いで洗濯したくなっちゃう。シャツ生地が好きだから、パリっとしていてほしいんです。だから、僕の中のベストは、けっこうしっかりした大きめのトランクスにシャツですね。

井出:素敵ですね。

松浦:それだと、朝起きても、すぐ着替えずに、そのまま朝ごはんを食べられる。

井出:わたしはパジャマですね。襟つきのパジャマとか。それに、シャツ地のショーツかシルクのイージーパンツを履いています。

松浦:パジャマも重要なんですよね、やっぱり。

井出:リネンのちょっと冷たい感じとか、眠る前に楽しい、と思いますね。

はやく眠りたい

松浦:枕はどうされてますか。

井出:枕は、ふたつ置いています。ひとつは、低反発の枕で、もうひとつは、ふかふかのタイプ。両方とも、リネンのカバーをかけています。

松浦:僕もふたつあるんですけど、両方とも羽毛枕。オーダーメイドの枕屋さんに頼んで、自分用に丁度よい重さで羽毛をつめてもらっています。

井出:いいですねえ!

松浦:自分にあう、ちょうどいいものをふたつ作ってもらって、その間に頭を沈めると、もうここは一体どこ、天国? みたいな(笑)。

井出:となると、松浦さんはやっぱり、夜がいちばんお好きなんですか?

松浦:ベッドに入ったときが一番好きです。

井出:すごくよく分かります。

松浦:ベッドに入って、暑くもなく、寒くもなく、枕も調子よくて、足をのばしたときに、自由に足の指を動かせる、あのかんじ(笑)。

井出:足が生地にあたっているかんじが最高、みたいな(笑)

松浦:ものすごくマニアックな世界ですよね。

平和を感じます

井出:わたしも、それやってますよ。生地にふさふさあたる感じが……。

松浦:たまらないんです(笑)。

井出:松浦さんの好きな時間、そうとう限られてますよね(笑)。

松浦:もう、そこだけ!

井出:あはは、そうとう短い!

松浦:でも、朝起きたときも好きですよ。

井出:ちょっとまだ起きなくていいかなっていう、サービスタイムは最高ですよね。もうちょっと眠っていていいのかなっていう。

松浦:眠る時と朝起きた時が好きってことですよね。にやにやしちゃう。平和を感じますね。

井出:布団に入ったときと、出るまでと。笑いながら寝るって最高ですね(笑)。幸せな生活!

松浦:うっとり!

2015年8月14日
写真:松浦弥太郎

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