沢山の人と乗り合わせる、バスや電車といった乗り物での、気をつけたいマナーがあります。車内でみんなが快適であるためには、どんなことに気をつけたらよいでしょうか。意外と忘れがちのことも多いのです。
行儀よく
バスや電車など、乗り物の中では、まず「無関心の美しさ」を心がけましょう。立っていても座っていても、お客として応接間に通されたときのように、しゃんと行儀よくしていることが大切です。いたずらに、他人に興味を持って、じろじろ眺めては失礼ですし、他人の読んでいる新聞や雑誌、携帯電話などを、ちらりと見ることも、「無関心の美しさ」に反するので、注意すべきです。とはいえ、困っている人に対して、無関心では困ります。重い荷物を持っている人、小さな子どもと一緒の人などには、必要に応じて手を貸してあげましょう。
自分の部屋ではありません
どんなに空いていても、通路に足を伸ばしたり、だらしのない座り方をしたり、居眠りをするのはやめましょう。もちろん、バスや電車の中でお化粧をするなんてもってのほかです。音楽をイヤホンで聞く場合は、音漏れに気をつけましょう。
おくゆかしく
座り方は、椅子に深く座り、背筋を伸ばし、軽く目を閉じるのが美しいでしょう。もしくは、景色に目を向けましょう。座っているときは、膝頭をぴったり密着させて、足をまっすぐにそろえて立てます。立っている時は、自分の手で吊り輪を汚さないように、ハンカチを吊り輪に当てて握ると、おくゆかしさがうかがわれてよいでしょう。また、入り口に立ったまま動こうとしない人がいますが、これは下りる人への交通妨害です。荷物やバッグを座席に置いて、スペースを占領してもいけません。大きな声で話すのも控えましょう。
荷物は前に
大きなショルダーバッグやリュックサックは、乗り物の中では、手に持つか、前に抱えるように持ちましょう。人の移動をバッグが邪魔をしてしまうことが多いのです。
自分の後ろも
乗り物に乗り込むときに、自分が乗ったからといって安心してはいけません。自分の後ろにも人がいることが多く、そこで足を止めていたら、乗りたい人が乗れない場合があります。いつも後ろも気にして、自分は車内の奥に移動するように心がけます。
気になるにおい
乗り物の中ににおいを持ち込まないことを心得ましょう。暑い夏に汗臭いにおいなど、強い体臭のまま乗車したり、においの強い食べものを持って乗車するのもみなさんに迷惑です。どんなに高級な香水の匂いも、自分はよくても、他人からすると、臭いと思われがちだと知りましょう。
エチケットとは
このように注意するべきことを挙げるときりがありませんが、エチケットとは丸暗記するものではありませんし、規則でもありません。人と人とのコミュニケーションをスムーズにするために知恵なのです。ちょっと考えれば、すぐにわかることが、意外と気が回らずに、些細な事で、残念な思いをしてしまいがちなのです。エチケットとは「覚える」ものではなく、「考える」こと。決してむつかしいことではないのです。
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ドスン!と音がしそうな感じで空いた席に座り、すぐさまスマートフォンを見る。人の目を気にせず、電車の車内でコンビニで買ったパンやおにぎりを食べる。こういう風景が、よく見られます。お互いを思いやる気持ちのゆとりを、持てたら良いですよね。
ほんのりした記事が大好きです
膝頭を揃える、ジーンズに慣れてしまい、自分でも開きがちなのですが、茶道の先生に昔は紙1枚も膝の間から落ちないように気をつけたんですよ、という話を思いだしては揃えるようにしています。外の景色をぼんやり眺めるのも、良いですね。