お手洗いのこと
現在、お手洗いは、ますます近代化され、とても快適になりました。しかし、日々の掃除が欠かせない場所には変わりません。お手洗いの掃除について大切なことは何かを考えてみましょう。
昔の人はどんなふうにお手洗いを掃除していたのでしょうか。水洗トイレではなく、汲み上げ式だった頃の話です。まず、便壺というものがあり、日常的に、し尿を汲み上げる必要がありました。汲み上げた便壺は水で洗い流し、きれいにした底に新聞紙を置いたり、八手(やつで)の葉を何枚か落としたり、お手洗いに香を焚いたりと、いかにして、お手洗いを快適な場所にするかに、皆、工夫を凝らしたものです。小の便器には、青い杉の小枝をいくつも縦に置いて、音も匂いも防ぐ知恵を働かせました。こんなふうに私たち日本人は、お手洗いの清潔にとても気を遣う文化を築いてきました。
どんなふうにきれいにするのか
例えば、飾りを細工した戸を作ったり、四季折々の草花を小さな花瓶に活けて置いたり、行灯式の照明をあつらえ、常に床と壁を拭き清め、手ぬぐい掛けには、糊のきいた、美しい柄の日本手ぬぐいを並べて、毎日掛け替えたりと、お手洗いという不浄な雰囲気を、できるだけ良くしようとする工夫と努力がありました。日本人ならではの、なんてすてきな心持ちなのだろうかと思います。
「お手洗いを使ったら、自分が使う前よりも、きれいにしてから出てきなさい」。子どもの頃、よくこんなふうに母に言われました。使うたびに掃除をして、次に使う人が、気持ちよく、嬉しく使えるようにすれば、きっと誰もが、きれいに使いたくなるでしょう。汚れていなければ掃除をする必要がないというのではなく、きれいであっても使いながらもっときれいにするのがお手洗いの心得です。
「家の中でいちばんきれいなところはどこですか?」と聞かれたら、「お手洗いです」と答えられるようになりたいですね。トイレ専用洗剤を、便器に噴霧してブラシでこすり、水を流すだけではなく、便器の内外はもちろんのこと、見えにくい裏側や、手の届きにくいところほど、よく絞った濡れ雑巾で、しっかり拭いて、磨きあげます。床と壁は隅々まで拭いた後に、乾拭きをしましょう。
こんなふうにお手洗いの掃除をせっせと行っていると、不思議と自分の心もぴかぴかにきれいになっていくようです。
使うたびにきれいにする
お手洗いは、次に使う人が嬉しくなるように。使うたびにきれいにする。この心を大切にしていきたいと思います。
人のお宅にうかがったり、泊めていただいたりした時に気遣うべきは、お手洗いと洗面所やお風呂場の使い方です。汚さぬように注意し、出来る限りきれいにしてお返ししましょう。
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弥太郎さんの文章は、読むヒトの心をスッキリさせてくれる。落ち着きや丁寧さ、静けさ、温かさ。色んな調度が相まって、もうそれしかないと観念する清らかさが読後に残ります。 …さて、余韻に浸る時間はほどほどに、日々の営みを始めましょう。
家の中ていちばんきれいなところは、トイレ🚽です😊と、胸をはって言える人になる・・2017年の目標にします。松浦さん見ていてくださいますか?私が住むところで初めてのトレーラーハウスの我が家。時々の見学の人々に自慢しましょう😃
自分の家の中で一番ぴかぴかな場所にする。外のお手洗いもきれいにする。自分の心もぴかぴかになる。いつでも忘れないようにします。ありがとうございました。感謝✨