45年前に発刊された『常識以前の事』という冊子があります。著者は評論家の犬養智子さん。その当時、究極の家庭料理と言われた、小料理屋の名店『丸梅』の料理のきほんを、おかみの井上紀子さんの横に立って、ていねいに取材した料理本です。この中においしそうないちごのデザートが紹介されていました。『丸梅』 にて、料理の最後に必ず出されていた一品とのこと。書いてあるレシピ通りに作ってみたら、なんて素朴でおいしいのでしょうと驚きました。現代のデザートに比べると味気ないと言われそうですが、昔はこのようなデザートでお客をもてなしていたのですね。それだけ食べてもおいしい、家庭で作るいちごのデザートをどうぞ。少しだけ分量を調整してあります。
参考文献『常識以前の事』著・犬養智子(キッコーマン醤油株式会社 1974)
材料(4人分)
いちご…1パック(およそ15コ)
砂糖…大サジ3杯
アイスクリーム…適量
作り方
1 よく洗ったいちごのヘタを取り、細いナイフを使って、芯をくり抜きます。
2 水を張ったボウルにひとつまみの塩(分量外)を入れ、手を使ってやさしく洗います。
3 キッチンペーパーで水気をとったいちごを大きめのボウルに入れ、コップの底で丹念につぶします。
4 つぶしたいちごに砂糖を加え、よく混ぜ合わせ、ラップをして冷蔵庫に入れずに二、三時間寝かせます。発酵し、酸味もとれて、味が落ち着きます。
5 いちごソースの出来上がりです。器に盛ったアイスクリームにたっぷりとかけてお召し上がりください。食べる直前にほんの少しの白ワインを垂らしてもよいでしょう。
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コップでつぶすのが楽しかったです♪。とても上手に出来ますね。一晩置くつもりが、待ちきれなくて食べましたら、ほんとうに、やさしくなつかしいお味でした。すてきなレシピを教えてくださり、ありがとうございました。感謝。
45年以上も前に、こんなにすてきなデザートがあったのですね。苺がまだ珍しかった小学生の頃です。苺が発酵することも今日初めて知りました。白ワインがあるので苺とアイスクリームを買ってきて早速作りますヽ(^▿^)ノ午後のおやつ楽しみです。