エッセイストの増田れい子さんの本に、向田邦子さんのことを書いた読み物がありました。向田さんは、仕事が忙しくなってくると台所に入りたがるくせがあり、そんな時、ブリのあら煮とにんじんご飯をたっぷりこしらえて、冷蔵庫おさめてから、時間も何も忘れて仕事にとりかかると書いてありました。
にんじんご飯は「にんじんと油揚げを思い切り細かく切ったのをうす甘く煮て、ごはんの炊きあがりに混ぜる」とあります。食いしん坊の向田さんがこしらえる非常食とでもいうのでしょうか。緊急作戦とあって思わず笑ってしまいました。けれども、とびきりおいしいに違いありません。そう思うと、そのとおりに作ったにんじんご飯が食べてみたくて、真似をして作ってみたのです。
にんじんと油揚げを思い切り細かく切るというのが、なかなか手間がかかりますが、それさえていねいにすれば、あとはかんたんです。いりゴマとしょうがのみじん切りを混ぜたのはアレンジです。薄味です。しょう油の量はお好みもあると思いますので調整してください。
参考文献:「独りの珈琲」増田れい子(鎌倉書房)
材料(4人分)
にんじん…140g
油揚げ…1枚
ダシ… 100cc
しょう油…大サジ1杯
みりん…大サジ2杯
しょうが…10g
炒りごま…小サジ2杯
塩…少々
ご飯…1.5合
作り方
1 あらかじめ米を炊いておきます。
2 油揚げを1/6の大きさに切り、沸騰した湯に入れ、5分ほど茹でて、油抜きします。
3 よく冷ましたらキッチンペーパーで押さえて水気を切り、細く千切りします。
4 にんじんを、長さ1.5センチの千切りにします。しょうがをみじん切りします。
5 中火の鍋に、ダシ、しょう油、みりんを入れ、沸いたら、油揚げを入れます。
6 5分ほど煮たら、にんじんを加え、よく混ぜ合わせて、煮汁がしっかり無くなるまでしっかり煮詰めます。
7 火を止め、しょうがといりゴマを加えて、よく混ぜ合わせます。
8 具材をご飯に混ぜ合わせたら、出来上がりです。お好みで塩を振ってお召し上がりください。
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煮ているときから、いい香りです。毎日食べたいと思えるほどの美味しさです!とびきりしあわせになれますね。すてきなレシピをありがとうございます!感謝。
まぜごはん大好きです。今日の夕食用に早速作ったのは人参と油揚げに鶏肉と干し椎茸も。以前は御飯と混ぜ込んでからちょっと薄いと感じたら、塩を加えたりしていましたが、「しょうがを入れるのね!」と。今夜もしょうが入り美味しいまぜごはんが出来ました。
美味しくやさしい大好きな味だから、休みで久しぶりに帰宅した娘に持たせようと作りました。にんじんを細かく切ったり、油揚げを油抜きしたり、丁寧な準備がとても穏やかなじかんで好きです。今日も美味しくできました。娘も喜びます。ありがとうございます。