これからおいしい野菜 「トマト」

水のかわりに

文・動画:編集室 写真: 元家健吾
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夏の代表的な野菜である「トマト」。湿度の高い真夏は、うま味が出る前に成長するため、春先から初夏が最もおいしいとされています。

トマトの原産地と種類

トマトの原産地は、南アメリカの高原地帯、アンデス山脈。日本には17世紀頃、観賞用として導入されたといわれています。食用として普及されたのは明治時代で、以降、日本独自の品種が開発されていきました。

トマトの種類は大きく分けて2つ。「ピンク系」と「赤系」があります。ピンク系は、生食向けで、日本ではピンク系のトマトが多いです。一方、赤系のトマトは、調理・加熱向きで、ヨーロッパではこちらが主流です。料理によって使い分けます。

天然のうま味成分

トマトは昆布と同じく、天然のうま味成分であるグルタミン酸を多く含んでいます。そのうま味成分を活かして、トマトをダシと考えて料理をこしらえることができます。西洋で、トマトを使った料理やソースが数多くあるのは、そのためです。うま味成分を多く含んでいるトマトですが、冷やしすぎると、もともとの味が分かりづらくなります。丸かじりで食べる、サラダにする、といった場合は、軽く冷やす程度にするとよいでしょう。味つけは、岩塩をぱらりと振りかけることでトマトの甘みがひきたちます。

毎日飲みたいトマトジュース

旬のトマトをまるごと味わいたいと考え、レシピを探したところ、辰巳浜子さんの書籍と出会いました。1969年に刊行された『娘に伝える私の味』(婦人之友社)です。このなかで、手作りのトマトジュースが紹介されており、わたしもぜひこしらえたくなりました。

家庭料理の大家、辰巳浜子さんの名著

火を入れて甘みを増したトマトに、香味野菜の風味が加わったこのジュースは、まさに絶品でした。これからの暑い季節、夏バテしないように、お水の代わりに飲むとよいそうです。トマトジュースをこしらえたことがないという方も挑戦しやすいレシピをご紹介します。

材料

トマト…1Kg(中5〜6コ程度)

水…カップ3杯

セロリ…半分

玉ねぎ…中1/2コ

にんにく…1片

粒コショー…5〜6コ

ローリエ…1枚

塩、砂糖…各小サジ1杯

作り方

1 鍋にトマトを入れ、軽くつぶします。

2 トマト以外の材料をすべて入れ、トマトが柔らかくなるまで弱火で煮ます。(10分程度)

3 フキン、またはザルで漉し、冷やします。

4 お好みでパセリやレモン汁を入れて完成。

ポイントは、弱火で煮ることです。弱火でないとトマトの鮮やかさと香りが失われます。

さっぱりしていて、ごくごく飲める

体調がすぐれない時などは、あたたかくしても、スープのようにおいしくいただけます。熟したトマトが安い時にたくさん買って、ぜひお試しください。

*参考文献

『娘に伝える私の味』辰巳浜子/著(婦人之友社)
『新版 娘に伝える私の味』辰巳浜子 辰巳芳子/著(文藝春秋)

『旬のやさい歳時記』矢嶋文子/著(主婦と生活社)

2015年7月1日
文・動画:編集室 写真: 元家健吾

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2 件のコメント

私はトマトを作っているが、脇目を剪定する度に朱い実を着ける竜のようだ、と思う。螺旋状の支柱に巻き付けてやるが、言うことを聞いてくれない。既に木になっている太い幹は割れ目が幾つも走って、ドサッと寝転ぶ幹は意志がある。その竜神から有り難く頂く。

さすが 辰巳さんですね。面倒な工程をきちんとする事が、自分を鍛える事とおっしゃっているのを何かの番組で拝見しました。

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