わたしだけの花歩き

シークレット
ガーデン2

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東京・稲城市に暮らす、フラワースタイリストの増田由希子さん。フラワーアレンジメントの教室を主宰するほか、雑誌で花のある暮らしを提案したり、花器やリースなども作られています。

増田さんは、自然に咲く野の花が大好きで、いまの仕事をはじめられました。日ごろ、どんなふうに草花に触れていらっしゃるのか、いつものお散歩について、お話をうかがいました。

畑へ続く道。階段を下った右手が増田さんの畑。

「自宅の裏が山になっていて、そこに、およそ140平米の畑を借りています。野菜などは、ほとんど買わずにそこで作っています。わたしはよく、この畑へと続く道を歩いています。春は細筍が顔を出し、初夏には蛇苺が一面に広がります。秋は落ち葉、冬は霜を踏みしめる音を確認しながら階段を下っていきます。足元に季節の移ろいを感じるのです。」

畑仲間のおじいちゃんが植えた満開の野菊。

「それと、もうひとつ。懐かしい風景に出会える、お気に入りの散歩道があります。近くに、昭和40年代に建てられた大型団地があるのですが、桜など、年月が経っている樹木が素晴らしいのです。ここを歩くだけで心が晴れやかになります。ふと思い立った時に、気分転換に出かける、まさに私にとってのシークレットガーデンです。」

桜やモクレンなどの樹木が生い茂っています。

「団地の中庭には藤棚、大きな花壇もあります。芝生の庭には紫陽花、野菊、初雪草、ツルコケモモ、野ばら、スズラン、マーガレット、クロッカスなど、たくさんの草花が植えられています。日本に昔からある草花ばかりですが、それがなんとなく落ち着くのです。ずっと変わらない良さといいますか。」

花壇には、薄紅色の秋桜が空高く咲いていました。

「散歩をするときは、ただ、ぶらっと歩きます。そうしていると、突然、はっとする風景に出会うことがあります。一瞬の光が美しく感じられる時があります。美しい花の姿に出会うことがあります。そんなときは、携帯電話で写真を撮るようにしています。たとえ満開じゃなくても、朽ちていく姿が美しかったら、それをおさめればよいと思うのです。」

増田さんが花を生けるときに大切にしていることは、その花がどのように咲いていたのかを思い浮かべて、できるだけ自然の姿に近づけてあげること。ぶらぶら歩いて、花や草木がどのように育っているのか記憶に残す。四季の変化を感じながら、いつもの道をゆっくり歩く。これが、増田さんの散歩の仕方です。

協力:増田由希子(f plus

2015年11月12日
写真:増田由希子

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2 件のコメント

買い物の帰り道、真っ赤な月下美人を見つけました。思わず写真を👀📷✨。
まるで火の鳥のようだと思いました。

『よく見ること』ボタニカルアートで花花💠を描くのが私の夢です。花びら一枚一枚がいとおしく・・日々の暮らしを豊かなものに彩ってくれるでしょう😃

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