基本のおかず「ダシ巻き玉子」

ふだんの
ごちそう

文:松浦弥太郎 写真:片山育美
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「おいしい」と言われるように

玉子焼きはどなたでも作れる簡単な料理です。だからこそ、おいしい玉子焼きとなると、このこしらえ方でよいのかどうか、このおいしさでよいのかどうかと、悩んでしまうことがあります。もっとおいしい玉子焼きを作れるのではないかと。

玉子焼きと一対一で向き合って、楽しくおしゃべりするように料理できるといいですね。ちなみに玉子料理は、火加減がポイントです。

このおいしさが基本である、という、我が家の味の目安になるような、玉子焼きを覚えたい。そんなふうに思いました。基本が身につけば、アイデアやアレンジも、次々と楽しむことができるでしょう。

ダシ巻き玉子をこしらえます

ダシ巻き玉子をこしらえてみましょう。大丈夫、簡単です。ちなみにダシ巻き玉子は、江戸末期もしくは明治のはじめに、京都で発祥した料理と言われています。古い歴史があるのですね。

こしらえる前に、玉子は、必ず常温に戻しておきます。これはどんな玉子料理においても基本ですので覚えておきましょう。冷蔵庫で冷えた玉子は、簡単には常温には戻りません。一時間くらいはかかりますので、それを踏まえて準備をしておきます。

玉子4コのダシ巻き玉子(4人分)をこしらえます。まずはダシをこしらえます。

鍋にカップ3杯(600cc)の水に、昆布5グラム(10センチ×5センチくらい)を入れてゆっくり戻します。昆布は固く絞ったぬれブキンでよく拭いておきます。最低30分は昆布を鍋に入れた水につけておきます。

昆布の入った鍋を中火にかけ、沸騰寸前にかつおぶし20グラム(手で多めのひとつかみ)を加え、ただちに弱火にし、沸騰しないように気をつけて1分くらい見届けて、火を止めます。かつおぶしが鍋の底に沈んでから、ザルにキッチンペーパーをしいて漉します。

「調味ダシ」を作ります。

カップ1/2杯(100cc)のダシに、薄口しょう油大サジ1/2杯と、砂糖大サジ1/4杯、みりん大サジ1/4杯を混ぜ合わせます。味つけは人それぞれの好みがあるので、これを基準にして調整してください。ダシはどうしても少なめに作れないので余ります。お吸い物やみそ汁など、他の料理にお使いください。

「調味ダシ」は、玉子と混ぜ合わせる前に、常温に冷ましておきましょう。

玉子を割り、白身を切るように溶きましょう。玉子焼きの場合は、混ぜ過ぎ、泡立て過ぎないようにするのがコツです。

「調味ダシ」は、溶いた玉子4コに対し、大サジ4杯分を加えて混ぜます。玉子液に空気が入ると、ふっくらと仕上がらず、ぺったんこになってしまいますので、混ぜ過ぎないようにしましょう。

練習をしましょう

 さあ、フライパンを使って焼きましょう。普通の丸いフライパンで結構です。玉子液は3、4回に分けて流し入れます。サラダ油は、キッチンペーパーで塗る程度がよいでしょう。火加減は中火ですが、時折フライパンを火から離して、余熱で焼くようにすると焦がすことなく上手く焼けるでしょう。砂糖とみりんが入っているので焦げやすいので注意します。

フライパンに流し入れた玉子を、菜箸でくるくるとかき混ぜながら、フライパンの端に寄せていき、玉子液をさらに流して、手早く焼きながら、巻いていきます。ご自分の感覚で何度も焼いてみて、ふっくらと仕上がる方法を探っていくとよいでしょう。

失敗を恐れず焼いてみましょう

 焼き上がりましたら、あたたかいうちに巻きすやラップで包んで、ていねいにかたちを整えましょう。

 味は少しものたりないくらいが、ちょうどよいのでしょう。ふっくら焼けた玉子の味のあとに、ゆっくりとダシのうま味が口に広がるくらいを目安にします。

 ダシ巻き玉子は、あつあつよりも、少し冷めたころのほうが、味が落ち着いておいしいものです。とはいえ、冷蔵庫で冷やしたら味が台無しになるので注意です。

 料理は、こしらえかたも大事ですが、食べ方もとても大事です。どんな食べ方をしたら一番おいしいかを考えるのも学びです。繰り返しこしらえ、繰り返し食べる。それでわかること、気づくことを積み重ねていきましょう。

 得意料理が、ダシ巻き玉子というのは、とてもすてきなことです。しょう油など何もかけずに、そのままを召し上がりください。

「きほんのだし巻きたまご」のレシピをみる

2015年7月1日
文:松浦弥太郎 写真:片山育美

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だし巻き玉子…
幸せの象徴…

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